2人が私を心配してくれるのが嬉しいけど、これ以上心配かけてられない。
もっと強くならないと。
「今日は責任持って、白糸先輩のこと守りますよ」
…あぁ、だめだ。
橘くんはなんでこんな不意打ちで嬉しいことを言ってくるの。
「ぜーーったい泣かないで帰ってくるから、みてて!」
泣かない。
そのワードを聞いて苦しい顔をしているあずちゃん。
でも、それが1番大切だから。
あずちゃんがそんな顔になっちゃうって分かっていながら、言ってごめん。
でも、橘くんの前では、絶対に。絶対に泣いたりしないから。安心して?
その意を込めて言ったつもりだ。
「…強くなったね」
ぽんぽんと、癖のように私の頭を撫でるあずちゃん。
うん、落ち着く!
「これも橘くんのお陰かな。…、じゃあ、そろそろ私たちの番だから、いってくる!」
「いってらっしゃい!」

