そしてやってきたゴールデンウィーク3日目。
今日が待ちに待った肝試しの日。
「橘くん!」
「白糸先輩」
私を見つけるなら無表情で名前を呼ぶ橘くん。
どうやら不意打ちに私がやってくると嫌そうな顔するけど、約束をして会う時は無表情で迎えてくれるらしい。
問題集の時もそうだったし。
無表情でも、嫌な顔されるよりはいいな〜なんて、橘くんを好きになってからの私はポジティブになった。
「こんばんは」
「こんばんは」
「楽しみだね、肝試し!」
「…苦手なんですよね?」
たしかに橘くんの指摘はごもっともだけど、なんせ私はあなたのことが大好きだから、
「肝試し怖いっていう感情よりも、橘くんに会えて嬉しいっていう感情が勝っちゃった!」
私にとっての橘くんへの気持ちが、その大きさが、少しでも伝わってしまえばいいと思った。

