14話「毎日の変化」




 その日から、空澄の1日の流れが決まっていった。
 朝から夕方近くまで魔女になるための勉強をして、夕飯の後は沼に行ってお祈りをする。そして夜も寝る前まで自主勉をするようになっていた。
 希海は、夜中に店に行く事もあり忙しそうにしていた。空澄も店に行ってみたかったけれど、「もう少ししたらな」と、希海に言われてしまったのだった。




 「………ん………希海………」
 「ん?どうした?」


 息苦しさを感じ、キスとキスの短い間に彼の名前を呼ぶ。吐息混じりの言葉を聞いて、希海はうっすらと目を開け、1度キスを止めた。
 けれど、額と額がくっついた状態で、希海との距離は近いままだった。


 「………キス……長いよ……」
 「今日はいつもより魔力使ったし。それに……」
 「ん?」
 「………何でもない。もうちょっと………」
 「ぁ………んっ………」


 彼は何かを言いたそうに空澄を見つめていたけれど、物欲しそうな瞳に変わりまた甘いキスをされてしまう。

 この魔力の交換もいつもの習慣となり、地下の秘密部屋で交わされていた。希海のキスは慣れる事もなく、いつもドキドキしてしまう。
 そして、最近は自分が魔力を上げているのではなく、彼に気持ちよさを与えられているのではないかと思ってしまうほどだった。