昨日からいろんな事がありすぎた。
 璃真から告白をされ、次の日は彼は亡くなり、その遺体は白骨の状態で見つかった。そして、璃真のスマホを探しに沼に行くとそこで溺れてしまった所を知らない男に助けられた。そして、その男は魔力を使う魔王だった。

 ここまで今までの穏やかな暮らしが一変する出来事が一気に起こるなんて、信じられなかった。
 空澄は何度か大きく呼吸をした後に「………とりあえず、職場に電話してしばらく休む事を伝えないと」と、普段の事を思い出して冷静になろうとした。









 「あ、やっと上がったか。温まったか?空澄」
 「……………」

 けれど、お風呂から上がるとやはり現実ではないような事が目の前に起こっている。鴉が人間になった。そんな男が目の前にいるのだ。

 だけれど、たった半日誰もいない家で過ごした寂しさを思うと、温かい言葉と誰かがいる雰囲気が妙に心地よくそして懐かし思い、空澄は目にうっすらと涙が溜まっていくのがわかった。