「これから、新堂さんだと思われるご遺体のDNA検査を行います。検死調査もさせていたはだきますが、よろしいですか?」
 「はい………」
 「新堂さんの髪の毛などもいただきたいので、1度家にお邪魔してもよろしいでしょうか?」
 「わかりました」


 空澄はもう何も考えたくなくなり、小檜山の言うことに従う事にした。自分では何もできない。璃真を探すことも出来ないのだ。


 「…………そう言えば、あなたは花里という苗字でしたね」
 「えぇ、そうですが」
 「花里というのは、あの純血の?」
 「…………え?」
 

 小檜山は突然そんな質問をしてきた。「純血」という言葉の意味がわからずに、空澄が聞き返すと、彼は空澄をジッと見つめた後に「いえ、何でもないです」と、言いさっさと部屋を出ていってしまった。

 不思議に思いながらも、他の事は考えられない空澄は小檜山の後を小走りで追いかけた。