「私は特殊なんです。属性魔法が2つもある、世界でも類を見ない特殊な魔王です。ただ、魔力が少し低いのが難点でしてね。それを補ってもらう存在が必要だったところにあなたを見つけました」


 そう言うと、小檜山は横になっている空澄の真横に歩みより、腰を下ろした。愛おしそうに空澄の髪を撫で始める。


 「だから、あなたを監視するために警察なんかになった。花里家は、純血だからと国からも保護される存在でしたからね。この街の担当になれるように頑張りました。そして、あなたを見張っていたが、残念ながら魔女になるのが、遅すぎた」


 髪からゆっくりと首元に指が降りてくる。ぞわぞわした感触に襲われてしまい、空澄は声が漏れそうになるのを必死に抑えた。
 冷たい彼の指は、胸元まで来るとピタリと止まった。


 「あなたが私の夫婦にならないというなら私に考えがあります」
 「…………え…………」
 「私の属性のもう1つは木。そのため、薬草をを扱えまして。あなたに一生毒を与え続け動けなくなるのはどうですか?魔力だけを私に与え、快楽だけを感じながら私と交わり魔力をもたらすだけの存在になるというのも………面白いですね」
 「……………」