『きっと、僕は明日も告白すると思う。だけど、それには答えてはダメだ。もし何かあったら、空澄のお母さんの呪文を唱えて』
璃真が言った、この言葉の意味もわからなかった。明日の告白には答えてはダメ。その意味がわからなかった。
今日の告白は良くても明日はいけない。どうしてなのか。考えても考えてもわかるはずもなかった。
それに母から聞いた、絶体絶命になった時に唱える呪文。それを使えと言うのはどういう事なのか。
いずれにしても、璃真は何かを知っているのだろう。そう思いつつも、彼に会うのが気まずくて、空澄は聞く事など出来るはずもなかった。
「ん…………考えてもわからないな」
いろんな事を考えている内に、やっとの事で眠気に襲われる。うとうとした頭で璃真の事を考える。明日は、しっかりと話を聞こう。話してくれた言葉の意味を聞かなければならない。そう思った。
どれぐらいの時間が経っただろうか。
微睡みの中でガチャンッとドアが閉まる音が聞こえた。璃真がまだ起きているのだろうか。その後にはベランダからバサバサッと動物が羽ばたく音がした。海はいつも空澄の部屋の前のベランダに止まって寝ていたので、きっと海だろう。
それを感じながらも空澄は眠気に勝つ事が出来なく、そのまま、また眠りに入ってしまったのだった。