『咲良side』


検査の帰り道、いつも通り車椅子に乗って1人で病室に帰る途中だった。


「…………咲良?」

聞き覚えのある声が聞こえたのは。



「えっ?」

ゆっくりと声が聞こえた方を見てみると、やっぱり、



誠也だった。




「………な、なんでっ、いるの?」


焦りと動揺と色々な感情で涙がこみ上げてきた。



「どういうことだよ、はあ?意味わかんねえよ」

誠也も動揺しているようだった。


そりゃ、いなくなった元カノが、

病院で車椅子乗って、、、


おまけに髪の毛なくて、帽子かぶってて


意味わかんないよね。



「説明しろよ、どういう事だよ。」


焦って近寄ってきた誠也。





あたしは、1度大きく深呼吸をした。