「…………はぁ、ふぅ。」 早く、早く咲良に会いたい。 大丈夫、大丈夫。 そう言い聞かせても、心は全然落ち着かなくて手の震えも止まらなくて 深呼吸をするので精一杯だった。 車で、35分。 「ついたぞ、行け!」 車を止めず、病院の前で監督の車から降りて急いで病院に入った。 咲良、咲良、咲良。 とにかくとにかく急いで いつもの病室に向かう。 病室のドアを開けた。 その向こうには見たくなかった光景が広がっていた。