『咲良side』


全国大会まで、あと1週間。


体調が急に変化するかもしれないから、ギリギリまで許可は出せないけど、

前向きに外出を考えてくれるらしい。


もしかしたら、これが病院から出れる最後かもしれない。

そう思うのもあって、どうしても行きたい。



「…………よし。」


机の上に紙とペンを用意して、いざ勝負。



なーんて。


あたしが死んだ時用にみんなにお手紙でも書こうかなーって、手が動くうちにと思って用意した。

手紙とか残すの、テレビとかでよくあるからやってみたかったんだよね。



「…………はぁっ。」


思ったより右手がうまく動かない上に、何を書いたらいいのかわからない。


自分が最後に残したい言葉。