「咲良がいないとあたし、ダメなのっ。
自信持てないし……思いっきり剣道できなくって………どうしたらいいか、分かんないのっ。」


こんな悲しい顔した結依なんて見たことなかった

こんな顔にさせてるのは、あたしなんだ。



「ごめんっ。勝手にいなくなって、ごめんね。」


「うぅぅぅっ、さくらぁっ。」


あたしは近くに寄ってきた結依を抱きしめた。


強い力で、ギュッとギュッと。



「結依ならできるよ、大丈夫。」


少し泣き止んだ結依にそう言ってみる。



「あと1ヶ月でしょ?頑張らなきゃ。」


あたしの言葉に全てゆっくり首を振る結依。



「…………咲良も出てよ。」


「あたしは、無理だよ、こんな体だもん。」


もうあたしの体はボロボロ。


剣道なんか絶対できない。