彼女は美しい純白の翼を羽ばたかせた。

─私は自由

たくさんの鎖に繋がれた、かつての自分
思い出せばツンと鼻がつまる

─でも、今は違うのよ。この翼は私のモノ

もう。どこへでも行ける!

広い、広い、空
風を友に

帰ろうあの人の元へ
きっと、きっと待っている

柔らかな微笑みが心の中に浮かぶ
自然、彼女の頬が緩む。ほんのり赤みを帯びて

─大丈夫。戻っておいで

彼の”こえ“が聞こえる
 
両手を広げいつでも私を包んでくれた。
優しい、優しい彼の元へ

待ってて、今帰るから

早く会いたい

逸る心を抱き少女は大空を舞う