朝、突然に電話が鳴る。

 突然なる電話は期待よりも不安が多い。

 出たのはあたし、結局一睡もできないまま、だれもいないダイニングのテーブルで、濃いインスタントコーヒーを飲んでいた。

 他の家族はまだ寝てる。今日は日曜だ。

「はい、伊良沢です」

「もしもし?池森と申しますが・・・」

「あ、池森先輩ですか?」

「ああ、伊良沢さん?」

「はい」

 その後、奴が今朝、激しい発作と共に意識がなくなったと告げられ、とにかく行こうと言うことになり、電話を切った。先輩とは病院で待ち合わせることになった。