〔太宰治side〕 通りすがりの人が泣いている令奈を見て見ぬふりをしながら通り過ぎていく。 僕は令奈の泣いている顔が誰にも見えないように僕の胸元へ静かに寄せてそのまま歩いて図書館を出た。 知らない人が見れば、寄り添っている恋人達に見えるだろう。 僕の方が背が高い、僕は壁になれる。 令奈の泣いている顔は誰にも見させない。 西川くんにも、気づかれなかったよ。 令奈、もう安心して大丈夫だよ。 家に着いた。 しかし、僕の体が、体が、……透け始めてきた。 ──ごめん、 僕は部屋に戻るよ。