午後三時過ぎ。 家に一本の電話があった。 それは、病院からだった。 京都にいる私の兄がインフルエンザにかかってしまい、こじらせて今肺炎になり高熱を出していると。 母親は兄の看病をしに急いで荷物を作り、その日の夕方に京都へ向かった。 母親が書いた夕飯の支度のメモが台所の机の上に置いてあった。 ・冷蔵庫にお味噌汁と鰈の煮付けとほうれん草のお浸しがあるから適当に二人で食べてね。