「なるほど……容疑者は5人か……良くお前だけで、ここまで絞れたな」

ニヤッと笑い、ホームズはレストレード警部を見る。僕は、部屋を見渡した。見た感じ、色々な人種が混ざっている。

「それで、これまでの経緯を聞こうか」

ホームズが問いかけると、レストレード警部は、メモ帳をめくった。

「亡くなったのは、ここで開催された結婚記念パーティーの主役であるカエデ・ウーリーさん。死亡推定時刻は、午前9時で、発見された時間は午前11時。彼女は元は日本人で、第一発見者のアメリカ人のマイケル・ウーリーと結婚してロンドンにやって来たそうだ」

「ど、どうも……マイケル・ウーリーです」

一人の男性が、ぺこりと頭を下げる。とても優しそうな顔をしてる……。

「そして、マイケルさん以外は……こちらは、マイケルの友達のウォーリー・エイムズ。10年ぐらい、日本にいたそうだ」

マイケルさんの隣にいる男性を見つめ、レストレード警部は言う。次に、女性に顔を移した。

「彼女は、アメリア・キャトレット。ウォーリーさんの友達だ。そして、カエデさんの友達でアメリアさんの妹、ジェシカ・キャトレットさん」

そう言って、レストレード警部は口を閉じる。ん?あと一人は……?

「もう1人は、トイレに行ってる。そのうち帰って――」

ガチャりとドアが開く音がし、僕は振り向いた。