僕は、ホームズの持つ紙を覗く。そこには、日本語で恐ろしい内容が書かれていた。

「……うわぁ……ただのストーカーじゃん……」

僕がそう呟くと、レストレード警部は「君、それが読めるの?」と僕を見つめる。

「これ、日本語で『ずっと君を見ているけど、可愛いね。僕の彼女にしたいな♡』って書いてあります」

僕がホームズから受け取った手紙を読み上げると、ホームズとレストレード警部は、同時に「うわ……」とドン引きをした。

「あ……裏に何か書いてある」

手紙を裏返すと、日本語で書かれた殴り書きのような文を見つける。

「『君が好きすぎて、気持ち悪いぐらい好き』……気持ち悪いぐらい好き?」

僕はその文に違和感を覚え、首を傾げた。

「……レストレード警部。俺たちを現場に連れていけ。ワトソン、行くぞ」

ホームズは、ポケットから銃を取り出して、僕に渡す。

「……え?」

「危険になったら、こいつを使え」

――僕は、君を信頼するよ。ワトソン

懐かしい声が聞こえたような気がして、僕は微笑んだ。なぜか銃を持つこの手が、怖くないんだ。

「……分かった」

僕は、銃をポケットにしまってレストレード警部の後を追いかけた。