「……だから、待ってろって言っただろ」

「…」

「雨の中、傘もささずに帰ったら
具合悪くなるに決まってるだろ
お前、体強くないんだから」


呆れた顔でお説教する朔君に
言い返せず、布団の中で黙り込む私


昨日の放課後、バイト終わり


外は雨が降っていた


バイト先まで送ってくれた朔君は
私が傘を持っていない事を知っていたから


「迎えに行くから待ってろ」とメールをくれた


だけど


それほど強い雨でもなく
家まで距離があるわけでもなかったから
朔君を待たずに、私はそのまま走って帰った


けど、家までもうすぐって所で、急に
バケツをひっくり返したような雨に打たれて


濡れ鼠になる私を、朔君が保護した


帰ってきてから、すぐにお風呂に入って
しっかり体や髪を乾かして休んだんだけど


翌日

熱を出してしまって


現在、私は朔君に看病されていた