小さくドアを叩けば、少し間を置いて


「……りつ?」


眠たそうに目を擦りながら、らいさんが現れる


「…らいさん」

「どうしたの?お化けみたいな格好して…」

「か、雷…」

「雷?……あぁ、すごく光ってる…」


らいさんが、背後を振り返って
部屋の窓から、ぼんやり外の景色を眺める





一際、大きな音を立てて、雷が落ちて


びりびりと空気を裂くような振動に、音に
びくりと体を跳ね上げた私は
そのまま、らいさんに抱きついた


びっくりした顔をして、私を見下ろすらいさん


「…りつ、雷怖いの?」

「…」


無言で頷けば、らいさんは私を抱き締めたまま
床に落ちた毛布を、片手で器用に拾って


「!」


それを、私の頭に被せると
そのまま私を抱え上げた


「……らいさん?」


ベッドの上に、私を下ろすと
らいさんは隣に寝転んで、「はい」と両手を広げる


「?」

「一緒に眠れば、怖くないでしょ?」

「…」


少しためらいながらも
そっと、その腕の中に身を寄せれば
らいさんは優しく私を抱き締めて、頭を撫でる



恥ずかしさよりも、恐怖が勝って

それから、次第に

恐怖よりも、安心感が勝る



「大丈夫」



らいさんの優しい声に、体温に
強張っていた体から、段々と力が抜けて



気づけば私は、眠りに落ちていた