…………ほんとに……

…………甘いよっ!甘すぎるよっ!!



「………カフェオレにして……」

「前も言ってたけど、それどういう意味だよ?」



思わず口からついて出た言葉に

景くんがこてんと首を傾げる



「…ちょうどいい甘さでお願いしますって意味」

「は?」

「……景くんは、甘すぎるの。ミルクなの
少しは苦いの混ぜて。コーヒー入れて」

「……独特な表現するな。お前」



景くんの胸に額を当てて

顔を隠しながら、私は嘆願



「ちょうどいい甘さなんて知らねーよ」



くいっと顎を持ち上げられて



「っ!」



……唇を、奪われる



するりと手から離れていった傘を

地面に落ちる前に

景くんがぱしっと掴まえて



「加減なんてできねーし、慣れろ」



にやりと唇の端をつり上げて、少し意地悪く笑う



「…………む、むり……」

「数こなせば慣れるだろ
……っつーことで」



赤面する私に

また景くんが顔を近づけてきて



「!け、景くん、ここ外!歩道!」

「誰もいねーし。来たとしても傘で隠せる」

「……む、むりむり……っ」