「……」


「おはよ、つむぎちゃん」


目が覚めて

一番に目に入ってきたのは
優しい笑顔を浮かべるこーくん



「……おはよ」

「雷、収まったよ
雨はまだ降ってるけど」

「…………うん」


ぼんやりとこーくんに声を返す


「具合は?
頭痛くない?気持ち悪くない?」



雨の日は必ず体調が悪くなることを知ってるこーくんは

心配そうな目で私を見て



「……うん。大丈夫」



「……」



答えた後に黙り込む



「……つむぎちゃん?」

「……やっぱり、大丈夫じゃない」

「え?」

「…………だから、もうちょっと……
このままで」



きゅっとこーくんの服をつかんで

その胸に顔を埋める



…………あったかくて、気持ちいい……



こーくんの腕の中が


心地良くて


この場所から離れたくなくて


そんなわがままを言う



「……。
つむぎちゃん、これ結構生殺しなんだけど」

「……だめ?」

「……そんな可愛くねだらないで」



「だめなわけないよ」と
ほっぺたを赤く染めて答えながら


こーくんはぎゅうっと私を抱き締めて


それから


私の額にキスをする



「……」



いつもだったら恥ずかしくて真っ赤になってる私



だけど今は



「……」




頬を緩めて


また目を閉じた






雨の日は嫌い



だけど



傍にこーくんがいるなら


こんな風に抱き締められて


幸せな気持ちになれる


あったかい場所があるなら




たまには、雨も悪くないかなって思った