「昨日の男どうだった?」


「どうだったって・・・。特別うまい訳でもないし。同じ感じよ。自分の快楽を満たすため私たちを利用する。」


「所詮私たちは道具でしかないんだもんなぁ。」


「承知の上でしょ。さっさと行くわよ。欲しいものあるんでしょ?」


「そうだった。ちょっと待ってて!」



仕事終わり、ララと買い物をすることになった。



欲しいものがあるみたい。



「お待たせ〜。」


「さっさと行くわよ。私寝たいんだから。」



黒のブーツ。



網タイツ。



ファーのコート。



この格好で街を歩くだけで30分に少なくとも3回は「いくら?」と声をかけられる。



「ねぇねぇそこの女の子たちっ。」



割と若めな男性の声に振り返る。



「おいくら?」



ほら来た。



財布をちらつかせながら言う男性3人組。



私とララは迷うことなく名刺を取りだし男性に配った。



「ごめんなさい、今日はもう受け付けてないの。この店にいるから良かったらいらして?」


「・・・もしかして君、Doux(ドゥー)のナナ?」


「あら、ご存知?」



とララが綺麗な声で甘く囁く。



「誰なんだよ、ナナって。」



小声で小突きながら言う男性達。



「お前ら知らないのか?金持ち御用達の娼館だよ。この女はそこのNo.1。」


「うわっ、まじかよ。」