熱気。



声。



視線。



男女。



まさにセレブ達が好むパーティー。



豪華な装飾の施された会場。



美味しそうな料理。



参加者全員が高価な服を身に纏い、上品に談笑する。



男たちは金にものを言わせて女を周りに置き、その女たちは大きな宝石を身につけ、男を誘惑する。



大きな宝石を身につける女。



かく言う私はブルーのロングドレスにエメラルドのネックレス。



「ナナ!」



翔が駆け寄ってくる。



「大変そうね?」


「主催側だからね。はい、お酒。」


「ありがとう。」



グラスに入った紫色のカクテルを手渡される。



「ひと休憩?」


「まぁね。あんまり人が多くても邪魔なだけだから。」


「ここにいる人達はみんな重役?」


「そうだね。まぁ、社会見学で何人か若手もいるんじゃないかな。」



そう言われ辺りを見回すと確かに何人か若い人たちも見えた。



まぁ、翔も若いんだけど。



「いい社会見学でしょうね。」


「まぁ、仕事も学べて、業界内の重役も見れてナナみたいないい女も見れるんだったらいいだろうね?」


「あら、ありがとう。」



場の雰囲気もあり翔との会話が弾む。



いよいよパーティーの熱気も最高潮になり皆が思い思いに楽しんでいた。



「ねぇ。」



だけどそれも一瞬で崩れる。