「ホームズはどんな犯罪だって暴ける人間だよ。きっと、うまくやっている」

「はい、そうですね」

ワトソン先生がどうしてそんな顔をするのかわからない。いつもとやっぱり違う。日が経つにつれて、やっぱり二人の様子がおかしくなっているような気がしてならない。

「少し、お手洗いに」

ドラマも終わり、私はソファから立ち上がる。トイレを済ませて出た刹那、「えっ!?あなたは!!」とリビングからワトソン先生の大きな声が聞こえてきた。

「ワトソン先生!?」

私は慌ててリビングのドアを開ける。すると、ソファにワトソン先生が倒れていた。そして、その横にはなぜかルパンさんが立っている。

「ルパンさん!?ワトソン先生に何を……」

私がびくりと肩を震わせると、ルパンさんは「大丈夫ですよ」と微笑む。

「麻酔で眠っているだけです。あと数時間すれば目を覚まします」

ルパンさんの言葉を信じきれず、私は恐る恐るワトソン先生に触れる。脈や呼吸もしっかりしている。本当にただ眠っているだけだ。