「あ~、あ~、あ゛~。
あははっ、声が変わったさぁ」

先程から縁側で、扇風機の風を占領しながら、声を変えて遊んでいるのは愛智(あち)。

「愛智はほんと悩みが無さそうだよね」

「ほんとにね」

愛智を見て、微笑ましく笑うのは、幼なじみの柑冴(けんご)と琉音(りゅうと)。

歩夢(あゆむ)は何も言わず、愛智を見ている。

すると、ザーッと雨が降ってきた。

「雨は嫌いさぁ」

愛智は呟くと部屋に入って行った。


これは普段は明るく元気な、雨が嫌いな雨女の愛智の話‐。