……探偵Iの事務所……
……午前8時30分……
仕様人Kがコンビニの袋を手に提げて事務所の扉を開けて戻ってきた。
木製の古い扉なので開閉時に必ずギィーッという木の軋む音がする。
「御主人様、遅くなってすみません。ただいま、戻りました」
「ああ、お帰りなさい。どうも、いつもご苦労様です」
「今回は、私が三回も変身をしたからでしょうか。思ったよりもリモコンの電池の消耗が早くて。コンビニで急いで単3電池を買ってきましたよ」
「そうですね。リモコン自体にどこか故障はなさそうですからね」
「御主人様に頼まれたチョコレートも一緒に買ってきました。御主人様、このチョコレートで良かったでしょうか」
仕様人Kが赤いパッケージのチョコレートの箱を探偵Iに渡す。
「はいはい、これで間違いがありません。私のいつも大好きな甘いチョコレートです。ありがとうございます」
昔からビターチョコレートよりも甘いチョコレートの方を好んで食べている探偵I。
嬉しそうにチョコレートの箱をまじまじと眺めている。
仕様人Kが探偵Iの顔を見て安堵の表情を浮かべている。
「よかったです──」



