……探偵Iの事務所……
……午前7時35分……
事務所に戻った探偵I。
ゆっくりと椅子に腰をかけた。
ボードを開き、さらさらと書き込んでいる。
・豊崎 泰平は心の準備ができしだい、もしかしたら、もう一度人として0(ゼロ)からスタートをされるかもしれません。
探偵Iがボードをバタンと閉じる。
はい、私の仕事はこれで終わりです。
御依頼、ありがとうございました。
暫くして、探偵Iが仕様人Kを呼んだ。
「報告書が出来上がりましたので。渡辺 紗永様にお届けをお願いします」
「はい、わかりました。御主人様」
探偵Iが出来上がったばかりの報告書を仕様人Kに手渡した。
時間を気にしながら仕様人Kが渡辺 紗永の元に報告書を届けにきた。
報告書に目を通しながら静かに何度も頷き涙をゆっくりと流している紗永。
「私、……やっと、涙を流すことができました」
紗永が涙を浮かべた瞳で仕様人Kをじっと見つめて柔らかな微笑みを浮かべた。
仕様人Kはなにも言わずに頷き、温かな笑みを返した。



