泰平が鼻水をすすりスマホに出る。
「はい、もしもし」
「泰平くん、最近、私に冷たくない?私、ずっーと会えなくて寂しいんだけど……。いったい、今度、いつ会えるの?」
「……・えっ」
「もしかして、私に、会いたくない?」
泰平が深い深呼吸をして迷うことなく「もう、別れよう」と告げる。
「えっ、何、なに……?なんて、聞こえにくかった。泰平くん、何ていったの?」
「別れよう」
「どうして……?私のこと、嫌いになっちゃった……?」
「俺は、……だって、何の魅力もない、つまらない男だからさ──」
「そんなことはないよ!どうしたの……?泰平くん、いきなりで、凄くビックリするんだけど」
「それじゃあ。そういうことだから。俺のわがままで、本当にごめん」
スマホを切って車に乗り込む泰平。
村上の電話に明日の仕事の依頼の電話が入る。
一時的にヘルプで入っていた総務部の武市は明日から本来の総務部に戻ると言う。
明日からは、泰平と村上の二人でこの仕事をしていかなければいけない。
「人手が全然足りないので、今後も人員を増やす予定だ」と村上が泰平の顔を見た。



