紗永が秘書に配属をされたと聞いた瞬間、俺は心ではなく、頭に火がついた。
秘書をしている彼女。
とても魅力的だ。
それに聞こえがいい。
家族や友達に……。
周りに自慢ができる。
俺の彼女は秘書をしているんだと──。
秘書をしている彼女から少しでも社長になるための情報収集ができればと……、裏心で近づいた。
だけど、彼女はいつも堅く口を閉ざして優しく笑うだけだった。
男性の免疫が少ない紗永を甘い言葉で落とすのは泰平にとって今までで一番簡単だった。
紗永は泰平に対していつも控えめで優しくて尽くすタイプの女性で、それに紗永の性格の良さはどこに行っても評判が良かった。



