管理人さんのご要望で次の人が住めるぐらい部屋を完璧に綺麗にして下さいとのこと。 皆、一斉に手を合わせて合掌をする。 手早く家具を運び出す従業員。 小物類や大切な物は段ボールに詰めるように言われた泰平。 泰平が床に落ちていた茶色い表紙のアルバムを手にして一ページずつ開いて見ていく。 「写真だ……。出会ったばかりの俺と紗永、カメラ目線で二人とも笑っている」 間違いがない、ここは渡辺 紗永の部屋だと再度確信をする泰平。 手にしている写真を見ながら、紗永と出会った頃を振り返っている泰平。