そして、黒い液体の近くに渡辺 紗永宛の郵便物が幾つか無造作に置かれていた。 友人からの結婚式の招待状、美容室からの案内、短大の同窓会のお知らせ、水道料金の督促状のハガキ……。 泰平はその郵便物を見て、やはり、この部屋の住人は渡辺 紗永なんだと確信をすることができた。 再び泰平が黒い液体の広がりに目をやる。 これが……、本当に紗永の最後の姿なのか。 本当に、俺の知っている秘書をしていた紗永なんだろうか──。 絶句する泰平。 信じられない。