探偵I(タンテイアイ)【第2巻】




そして、黒い液体の近くに渡辺 紗永宛の郵便物が幾つか無造作に置かれていた。




友人からの結婚式の招待状、美容室からの案内、短大の同窓会のお知らせ、水道料金の督促状のハガキ……。





泰平はその郵便物を見て、やはり、この部屋の住人は渡辺 紗永なんだと確信をすることができた。





再び泰平が黒い液体の広がりに目をやる。





これが……、本当に紗永の最後の姿なのか。





本当に、俺の知っている秘書をしていた紗永なんだろうか──。




絶句する泰平。




信じられない。