渡辺 紗永様……。 「紗永──。まさか……・……!?」 心臓がドクンドクンと打つのを胸の辺りで強く感じる。 形相が変わる泰平。 もしかして、あの……渡辺 紗永なのか、俺の知っている……。 この部屋の住人は、渡辺 紗永の部屋なんだろうかと、部屋のあちこちを見ながら慌てる泰平。 いや、いや……、もしかしたら、違うかもしれない。 もしかしたら、……渡辺 紗永の知人の部屋かもしれない。 泰平が必死に冷静を取り戻そうとする。 だっ、……だめだ。 ゆっくりと後退りをして、帰ろうとする泰平。