そしてこれはまた、しばらく経ってからのお話。

「何してるの?」

ルイスは包み込むように私を抱き締めました。

「お父様とお母様にね、結婚したんだよ。って。」

私の言葉に、ルイスは闇に包まれた夜空を見上げました。

「そっか。」

私は、すべての始まりからの8年間を思い出し、膨らむ思いを吐き出すかのようにため息をつきました。

「今の私たち、きっと物語では“めでたし、めでたし”だね。」

途端、ルイスが吹き出すのが分かりました。

「ふはっ…でもこれからも続くよ?僕たちの物語は。」

そう。私達の物語は続く。
それは終わることなく、永遠に。
楽しいことばかりじゃない。
苦しいことばかりでもない。
でも最期は、きっと――。

「そうだよね。




       ………あ、雪。」








   
  
   *゚      ―Fin―