「すまないが、断る。」

白雪姫達が家にたどり着いた後のこと。ドクターは低い声でそれだけ言いました。

「だよ…ね。なら、私もここに」

残るよ!そう言おうとしたときでした。

「行きなさい。わしらはドワーフ。白雪姫は今や人間。人は人と暮らすのが一番じゃ。
ホホッ。わしらはここでひっそり暮らすほうが好きなんじゃよ。」

ハピ爺は真面目な顔で白雪姫の言葉をさえぎり、そう言ったのです。

「そんな…。」

白雪姫は今にも泣きだしそうになりました。ルイスもハピ爺とドクターも皆、大好きだから離れたくないのです。

「なーに。たまに会いに来ればいい。」

そんな白雪姫に対し、ドクターは笑顔で明るく言いました。

「あ…。」

「会うことに関しては僕は構わないよ。いつでも馬車は準備できるんだから。ね。」

ルイスは白雪姫の顔を覗き込み、まるで小さな子供に言い聞かせるかのように優しく囁きました。

「いい、の?」

白雪姫はためらいがちにボソッと問います。

「ホホッ。わしらは家族じゃ。遠慮するな。」

そして、ハピ爺の言葉にたちまち明るさを取り戻した白雪姫は、満面の笑みで頷きました。

「うん!」