「申し訳ございません!部下が失敗り、白雪姫を殺しそこねました!!」

スキンヘッドの男は冷や汗を流しつつ、女王に肩ひざを立て、頭を下げました。

「ふんっ…その部下は?」

女王は不機嫌に鼻をならしました。

「始末しました。」

「アララ…カワイソウニ。」

鏡の台詞はまるで棒読み。女王は怪しい笑みを浮かべ、

「じゃあ、ボスも責任負わなくちゃ…いけないわねぇ?」

男の顔を指先で優しく、いとおしそうになぞりました。

「あ…。」

男はまだ見ぬ恐怖にガタガタ震え始めました。

――ペタ…

「ひ…!」

突如、男の頬に女王以外の白い、小さな手が触れました。

――ペタ……ペタペタ…ペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタペタ…ペタ

「ひいぃぃぃ…!」

無数の白い手はやがて、男を飲み込み、下へ下へと沈んでいきました…。