声を頼りに森を進み、ついに少女の姿を捕らえました。

「え……?」

メロウは思わず言葉を失いました。その少女はとても10歳には見えないくらい大人っぽく、美しかったからです。

「…?そこにいるのは誰?」

気付けば少女は、長い黒髪を揺らし、メロウのいる方向を見つめていました。

「あ…こ、こんにちは。」

純粋なメロウは彼女が白雪姫と知ってか知らずか、草むらから出てきてしまいました。
すると、少女はぶるっと震え、後退りしました。

「あ、お、俺は別に怪しい者じゃ…。」

メロウが慌ててそう誤魔化しましたが、その言葉は少女の耳に届いていませんでした。

あれは…。

……ィ…。

フ…ィ…。

ファイ…。

白雪姫はリズム良く、ぺこっと頭を下げ、にっこりと微笑みました。