「ねえ、あゆみ」



また、ぽってりとしたくちびるから彼の声は出てきた。



「好き」



特別感を味わわせたがりの直也が言ってくれた、『好き』。
うん、猫系の君がいうと、なんだか特別な感じがする。



「ありがとう」



わたしはそう言って、彼を抱きしめる。



「ちょっ……近いよ、やめて……」



「嫌だよ! わたしも、直也が好きなんだもの。直也は、わたしの彼氏でしょう。直也以外にこんなことしたくないもん」



そう、わたしは直也の彼女なんだもの。


好きだから、こうしたいの。