ピザの斜塔やトレビの泉、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂などのイタリアの観光地を巡り、私たちは家に帰ってきた。外は、すっかり暗くなっている。

「ただいま。あれ?まだ、エミリアたちは帰って来てないの?」

キョロキョロと辺りを見渡し、ドロシーは呟いた。

「ん?あぁ、そういえば帰ってきてないね……」

レイラさんがリビングに顔を出し、呟く。私は、何だか嫌な予感がして、目を閉じて呪文を唱えた。

頭に、セシリアとエミリアの姿が映る。二人は、私たちが最後に寄った、サン・マルコ寺院の上空に浮いていた。

『きゃあぁぁ!!』

エミリアが悲鳴を上げた瞬間、エミリアの体は黒い何かに吸い込まれる。セシリアもそれと同時に、消えていた。

「……っ!!」

私は、飛び起きるかのように目を開ける。レイラさんとドロシーは、不思議そうな顔で私を見ていた。

「エミリアとセシリア……もしかしたら
――」

私は、さっき見た映像の話をする。私が見たのは、二人の記憶を映像化したもの。

「それが本当だとしても、どうやって探し出すの!?」

ドロシーが私に向かって叫んだ瞬間、ポンと音を立てて一枚の手紙が空中に現れた。

私は、迷うことなく手紙を掴んで紙を開く。英語で、文が綴られていた。