なーちゃんも悲しそうな顔をしている。


そりゃそうだ、振られたんだから。


「·····誰が好きなの?」

「それは·····」

「教えて」


教えて、と懇願するなーちゃん。


好きな人の好きな人を知りたいと思うのは当然だ。


でも、好きな人聞いたところで、傷付くだけだよ·····。私だったら絶対に聞けない。


なーちゃん·····。


「·····奈乃ちゃん」

「·····え?·····奈乃、ちゃん·····なんで?」


え?


私·····?


私の名前が出るなんて想像もしてなかったから驚く。


「いつも可愛い笑顔を向けてくれるから」

「·····そう、なの。確かに、奈乃ちゃん、かわいいよね!うん·····ごめんね」