……なんで、他人事みたいに言うんですか。 転びかけてもつれるみたいに唇がひとりでに動く。 「皇くんとは付き合ってませんし、それに、」 だめだ、止まらない。あふれちゃう。 「……それに、わたしが好きなのは先生です……!」 そう声を張りあげ駆けだした。 「……森下!」 わたしを呼ぶ先生の声は、ドアに阻まれ背後でぷつりと消えた。