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SHRが終わり、教材を運ぶのを手伝うのにかこつけて、先生と並んで廊下を歩いていた。
通り過ぎゆく女子生徒の視線は、ちらりと先生に向けられる。相変わらずの視線泥棒ぶりだ。
線が綺麗な横顔を見上げ、口火を切る。
「先生。ありがとうございました」
「なにが」
「ゼッケンのこと、背中を押してくれて。先生のおかげでみんなに喜んでもらえました」
すると先生は、前を向いたままとおる声を放った。
「別に俺はなにもしていない。森下がそれだけのものを作ったってことだろ」
「先生……」
だれに褒められるよりもやっぱり、先生に褒めてもらえるのが一番嬉しい。


