【完】終わりのない明日を君の隣で見ていたい


 今、自分の名前が聞こえてきたような……。

 なにが起きたのかと、妙に静まりかえったあたりを見回そうとした時、突然後ろから首にぐいっと手を回された。
 反射的にそちらに顔を向ければ、いつの間にそこにいたのか皇くんに後ろから引き寄せられていて。

「なっ……」

 絶句するわたしに「よう」と不穏な笑みを向けてくる皇くん。

 その途端、教室中から黄色い声が上がり出す。

「なになに、あのふたりってそういう関係?」
「皇くんが女子に迫るなんて珍し~!」

 黄色い声たちは、こちらの都合なんてお構いなしにきゃいきゃいと勝手に盛り上がっている。