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翌日。1泊2日の林間学校が終わり、帰ってきた格好のまま、わたしはリビングの床に座り込んでいた。
頭に靄がかかったように、体が動いてくれない。夕食さえ喉を通る気がせず、作っていない。
その理由は、わたしが一番わかっていた。
そして18時を指した頃。生徒たちの帰宅から2時間ほど遅れるようにして、隣の部屋がガチャリと開く音がした。先生が帰宅したのだろう。薄い壁だから、耳を澄ませば隣の動きがよくわかる。
なにもせずぼんやりと先生がたてる音を聞いていた、その時。突然なにかが倒れたような衝撃音が聞こえてきた。
「え?」
帰ってきた格好のまま座り込んでいたわたしは、弾かれたように背筋を伸ばす。
衝撃音は間違いない、隣の先生の部屋からだ。衝撃音のあと、痛いほどの静寂が襲い掛かってくる。
「先生?」
聞こえるはずがないのに、その名を呼んでしまう。
息を止め、数秒待ってみても、隣の部屋からはなんの動きも感じられない。
もしや先生になにかあったんじゃ……。そう思うと、いてもたってもいられず、わたしは部屋を駆け出た。