日曜を挟んで、月曜日。

 どんな日でも夜は明けて朝は巡り来るのだと、こんな時になって実感する。

 昨日まで寝込んでいたからか、固まったかのように表情筋が動かず、みんなに挨拶する時に向けた笑顔はひどく不自然なものになってしまった。今日はいつもどおりに振る舞おうとしていたけれど、うまくいかない。きっと目の下のクマも隠せていないのだろうし。

「桃ちゃん、なにかあった?」

 異変を察し、サラちゃんたちが声をかけてくれる。わたしはぎこちなくも笑顔を作って答える。

「大丈夫だよ、ありがとう」

 そんなわたしを見て、サラちゃんはなにかを言いたげにきゅっと唇を真横に引き締め、それから小さくぽつりと返してくる。

「無理はしないでね」
「ありがとう」

 踏み込んでは来ず寄り添ってくれる優しさに心が救われた、その時。

「席つけー」

 呼びかけと共に、先生が教室に入ってくる。あれだけきゅんとしていた姿をまっすぐに見ることができなくて、咄嗟に視線をうつむける。
 朝の出欠確認を聞きながら、10年前とは違う声に、胸が締めつけられた。