「俺はあんたが兄貴の元カノとか気にしないけど」


「澪くんが気にしてなくても私が気にするの」


「そういうものか」




ていうか澪くんは気にして無さすぎて困るから気にして欲しいんだけど。
そしてやたらと見てくるんだけど、私の顔に何かついてるのかな。




「れ、澪くん?」




何を思ったのか、突如、澪くんの手が頬の近くまで伸びてきた。
そしてそれに私は反射的に目を閉じてしまう。




「な、なななななに!?」


「髪、綺麗だなって」


「え?」




と、目を開けると澪くんが胸まであるピンクがかった私の髪を片手に取ってじっと|見定《みさだ
》めていた。




「染めてるの?」


「う、うん」


「じゃあちゃんと手入れしてるんだ」


「えっと、髪のこと?」


「そう、染めてるのに全く傷んでないから」




髪のこと褒められるのは凄く嬉しいんだけど、女の子の髪を触るなんて行為、顔が良い澪くんだからこそ許せるんだからね?
顔が良くなかったら即セクハラで訴えてるよ?
あと




「簡単にそういう事しない方がいいよ。私の事好きかもって勘違いするから」


「あんたそんな事思うんだ」


「いや!私が思うんじゃなくて他の女の子がね!?」




逆に勘違いされちゃあ困るから!!