ふわっと体が軽くなったかと思えば目の前には血だらけの自分。


死んだというのに俺は結構冷静で。



『あ、死んだのね。』



そこまでしか思わなかった。


ただ1つだけの心残りはあったけれど。



「れ…ん…?」


ごめんなぁ、燐。


いつもみたいに肩を引き寄せて、精一杯温もりを与えてやりたいのに。


『クッソ…』


やっぱり、俺は幽霊らしい。


『触れらんねぇ…』



いくら肩に触れようとしても、すり抜けていく。


『はぁ…』


思い残す事、あり過ぎたな。


もうちょっとだったのに。


"あの人"との約束を果たすまで。