「ハーァ」と店のカウンターで誠司は頬杖ついてため息をつく。

 「開店前に何ため息ついていのよ」隣に同僚が座る。

 「あなたには関係ないでしょ」

 「今日は来ないと思ってたわ、彼女とすごすと思っていたから」

 「彼女は仏教徒だからクリスマスはしないの」

 「すごい言い訳ねーけどハロウィンはするのね?」

 「だからあなたには関係ないでしょう」

 「そんな事ないわ」と誠司の頬杖ついている手を取りカウンターの上で握る。

 「そんな彼女より私にしない?」

 「ハーア?」とビックリした顔で同僚を見る。

 「だってイベントより仕事優先なんでしょ?私ならセイコを優先にするわ」

 「ごめんなさい、そう言ってくれるのはうれしいけど、私の心は彼女でいっぱいなのそれに先に仕事優先したのは私だから」と重ねた手をどける。