「さすが、奥さん」

 「『奥さん』じゃあないです、ちゃんと旦那してます、ベットだと俺が主導権握ってます…多分」と声が小さくなり顔を赤くする。

 「ほー」とニヤニヤする。

 「兎に角、帰る時忘れ物しないでください、まだ二人の事登録していないので不審者あつかいになってしまいますから」とエプロンをはずしソファーに置いてあるタイトのネイビー色のスーツの上着を着てドアの近くに置いてある黒のブリーフケースを持った。

 「今日も店出るのか?」

 「暇ですから」

 「今日あたり帰ってくるんじゃないか、部屋にいた方が」

 「いいえ、『イブには戻れない』って言ってましたから、じゃあ行ってきます」と部屋を出て行った。

 「いってらっしゃい………おぉぉおサミッ風呂入ろう」