守人が住む岩城のような館を通りすぎると屏風のようにそびえる一枚岩がある、その上にある高原はまだ豊かで光を放っているが麓の森は木々の塊がポツリポツリとあるだけだ。
エントがいない
降り立ったシリウスは歩いて塊によってみた
フェアリーもいない
「みんなここを見捨てたんだよ、ペガサスさん。」
上を見上げると小柄な人間が腰かけていた
肩には金色のほっそりとした鳥が乗っている
「見慣れないやつだ。誰かな?」
「僕はネプチューンからきたんだ。こいつの親に乗ってね。」
肩の鳥をなでる
ティの鳥一族だろうか?
ティというのはウニバルゾの神のような存在リィーと共に世界を作り上げたという鳥で、鳥形の者と人型の者がいる。
「乗って?ネプチューンのティは人を乗せるほど大きいのかい?」
「ティティの血は入ってるけど風魔鳥とのハーフだからねティアわ。」
風魔鳥はネプチューンに生息する大気の聖獣だ
話にだけきいてシリウスもあったことはない
「ティア殿はどこに?」
「ここを荒らしてた魔法使いをどっかに運んでいったけど戻ってくると思うよ。」
肩の鳥は眠そうだ
まだ年のいかない子供のようだ
「その子は話せないのかい?」
「話せるけど力を使ったからとうぶんおきないと思うよ。それにしてもここの管理者はなにをしとるんだろ?森が荒らされているのに姿も見せないなんて。」
守人は気づいていないのだろうか?
「もう荒らすやつはいないのかい?」
「いないしもう手は出せないと思うよ、ネプチューンから追われた翼のある聖なる生き物達が沢山きたから。君は管理者にまずここに来るように言った方がいいよ。」
口の聞き方がなってないとネオス住民がいたら怒りだしそうだ
彼の言葉を信じたいが外部の人間だ確かめてからにしよう
「信じてないか、まあ仕方ないよね僕は人間だしね。ティアが戻ってきたら僕は他の場所に行くから安心していいよ。」
木の幹に背を預け彼はそれ以上はなにも言わなかった。