あの丘の向こうで

今日も退屈な学校生活が終わり、友達もなにも話しかけるような友達もいない私はいつものようにあの場所へ向かった。

学校の目の前の大通りを抜けて少し急な坂を上がる。2つの分かれ道の右を行きまた少し坂を上ると街が見渡せるステキな丘につく。

その丘には大きな樹と屋根付きのベンチ。そして…

「こんにちは。今日も来たんだね。今日は…」
(やっぱ声は聴けないかな?でしょ)

「やっぱ声は聴けないか…」

先週見つけた1,2個上だと思われるお兄さん。セーターにふわふわな栗色の髪だがそこら辺のいかしたやつとは違う優しい雰囲気。

「そう言えば、僕君に名乗ったっけ?怪しい人じゃないよ?
 僕はねようすけ。葉っぱに介護のかいで葉介。きみは?」

「‥‥‥‥‥。」

「…ふふ。やっぱりか。」

(いつものように勝手に話し始めるんだろうな。)

お決まりになっていたから、よくわかる。ただ、それ以上もそれ以下もない。

「僕の学校はね今日…」

そんな彼の話を読書をしてる傍ら聞き流し、本のキリがいいところで帰りの支度を始める。

「もう、帰るのか~。また明日も待ってるね?」

(なんで待つのさ。変な人。)

「明日は、声が聴きたいな!」

何も知らない彼は、無邪気にそういうのだった。